「君も、ユニバに行ってたの?勝手に撮ったの?」

真っ青な顔のまま、瑠衣はにこにこ楽しげな繭に訊ねる。繭は「さあどうでしょう〜?」とさらににっこりと笑う。

「あと、こんなのも手に入れることができました!」

そう言って繭が取り出したのは、レコーダーを取り出す。瑠衣は嫌な予感に冷や汗が伝った。

繭はにこにこしながら再生する。

『ハリー・ポッターの作者、J・K・ローリングがハリー・ポッターと賢者の石を書いたのは、エディンバラのカフェ「エレファントハウス」だよ!』

それは、いとこと話した会話だった。

ただ読んだことがあるだけではわからない情報。それは、瑠衣がハリー・ポッターのファンである証拠だ。

「バラされたくなかったら、私と付き合ってくださいよ」

拒否権などあるはずない。

瑠衣は、初めて話した好きでもない女子生徒と付き合うことになってしまった。



繭と付き合うことになったと瑠衣が友達に言った時、全員が「ええ〜!!」と当たり前だが驚いていた。

「いつ好きになったんだよ?」