百ページ以上ある分厚い本に、瑠衣は最初読む気などなかった。しかし、試しに一ページずつ読んでいくと、魔法の世界の楽しさに心を奪われ、一日で一冊読み終えてしまった。

それから、瑠衣は大のハリー・ポッターのファンになったのだ。

ハリー・ポッターと賢者の石から、ハリー・ポッターと呪いの子まで瑠衣の部屋の本棚には揃っており、ハリー・ポッターのコスプレの衣装や杖がクローゼットの中には隠されている。

さらに、ハリー・ポッターを英語で観たいという理由で英会話を習い始め、ハリー・ポッターの作品の舞台を知りたいとイギリスについて調べたりするようになった。

瑠衣は、ハリー・ポッターのことなら何でも言える。ストーリーも、呪文も、登場人物も。

しかし、それを友達に知られるとドン引きされると瑠衣は思ったのでみんなには秘密にすることにしたのだ。

友達の前では、「ハリー・ポッター?何それ?」という態度をとっている。