ワザとらしくニヤリと不適な笑みを浮かべながら、
樹はどうもあたしに声を出させたいらしい…分からないけど。
だけど…だけど、
下にはお母さんだっている。
それに…。
なんて、
そんなことを考えている間に愛撫に激しさが加わり、
何よりもう頭が真っ白で。
羞恥心なんてなくなっていた。
「…い……っきぃ…」
その行為の激しさの裏には密かな企みがあって。
『触れてほしい─。』
そう思う箇所には何故か触れてくれない。
ギリギリの線をなぞるような。
…まるで計算しつくされているような、そんな感じ。
「ん?」
またもやワザとらしい返事が返ってくる。
口元は然り気無くも笑っていて、
あたしは確実に見下しているような気がした。
だからこそ、熱は上がるの。