でも俺が言ってる事は間違って無い。
本当はどう答えたかなんて分かってるくせにそうやって俺に聞くのは何を試したいから？
それとも今の俺はそれぐらい愛梨に信用されてないってわけ？
まぁどっちにしろムカつく事に変わりは無い。
「そ……それは…、」
上手く言葉が出てこないのか、しどろもどろになる愛梨。
けどそんな愛梨に言葉を求める様に俺は何も言わずにジッと目を見て逸らさない。
「…断って、……ほじぃ…っ…」
鼻をすすりながらまた泣きだした愛梨を見て、
何か分からないけど自然に顔が緩んで綻ぶのが分かった。
結局はこうやって泣かせたことに少しの罪悪感と後悔は感じてるわけで…、こんなコイツが俺にとっては可愛くて仕方が無いわけ。
好きな女に泣かれると、やっぱり困るらしい。俺は。
「…ははっ、ちょっとやりすぎた」
そう言って俺は愛梨の頭を撫でる、
するとしがみ付く様にギュッと服を握りしめて俺に抱き付いてくる愛梨。
「やだよぉ…先輩のとこ行かないで……っ」
「俺、行くともなんとも言ってないのに」
クスクス笑いながら頭を撫でていた手を滑らせて頬に添える。
「お前の為って言ってもさ…こうやって泣かせるくらいなら傍に居た方が良かったのかもね」
と、ポツリと呟いた。
