あの女、…じゃなくて、あの女の人。

駒川、先輩。


綺麗な人だったなぁ…、何かあたしなんて似ても似つかない感じ。

背が高くて細くてスタイルも良くて、綺麗で大人っぽいし…何より頭も良さそうな感じしたよぉ、


樹と並ぶと。きっとお似合い何だろうな…

考えると考えるだけ虚しくなる。


「あいりぃ~?」

無心のあたしの目の前に手をゆらゆらとチラつかせて意識を確認しようとする美菜。


別に意識が無いわけじゃないけど、

ドヨーン。とした気分がなかなか抜けてくれない。


「気にすること無いから!…絶対あの女、正統派ぶってるだけだって~!!」

そんな抜け殻のようなあたしにそう言ってから、ね?ね?と何度もあたしに確認するように聞いてくるから、
仕方なく…なんて言うのは失礼かもしれないけど、美菜の目を見て少し笑ってみた。


正統派ぶってる…?

いやいや、きっときちんとしたお方なんだよ…きっと。きっときっと!!


どうせあたしなんて…、



樹には似合わないもん!

…分かってるよ、そんなことぐらい。


せっかくもうすぐ誕生日で、あんなことを樹が考えてくれてるって分かってさ?


どんなプレゼントかな!?なんて浮かれてたのに。

一気に急降下。


よりも更に急降下。