何か……ダッサ。


俺。



「あ、うん」

情けなさとかそういうの、頭ん中でグルグルしてきてどうしようもない。


結局のところ…

興味ないフリしてて一番困って焦って動揺してたのは俺だよね、…ていうか、うん。俺だよどう考えても。



「…心配した?」

ちょっと悪戯な笑みを浮かべながら愛梨は言う。

それにちょっとムッとしそうになって、納得がいかずに唇を少し噛んだ。


けど無意識に口元は緩んで微笑を浮かべた。


「まぁね」

俺がそう言えば愛梨はクシャッと笑って俺に回したその腕に力を加えて、そのまま頬を胸に摺り寄せた。


……小動物みたい、だな。



「い…樹?」

手を伸ばして愛梨の輪郭を辿るように指を滑らせる。


クイッと上に向かせて、俺しか見れないように真っすぐと見つめた。



あと数センチで近付く唇。


その時…



「オイ」



………。



白けるな、本当にお前の存在って。


「何?ていうかアンタ何してるの?そこで」

「…っちょ!
駄目だよ樹っ、白井くんはあたしのこと……「助けた」」


愛梨の言葉を遮る様に俺は言った。