頭の中の考えて全て、
誰かに見られて覗かれたら相当恥ずかしいよね。
「そしたら…えっとぉ……」
躊躇いがちな雰囲気。
控えめに愛梨は人差し指をある場所に向けて俺をチラリと見た。
「…そしたら……あの人が居たの…」
“あの人”
その言葉に自然と目付きが少しキツくなった気がした。
仕方ないけど。
…けど。
その愛梨が指差した方向を見て言葉を詰まらせそうになる。
「誰…?」
「写真部の“田中裕太”くん」
と、今度は嫌味をかなり含んだ言葉。
………。
「別にアンタに聞いてないんだけど」
「何かお前って、やっぱ超ムカつくなぁー?」
「ふぅん」
「……っ!!」
俺は奴とは全く違う方向を見て、深い溜め息を吐く。
するとやっぱり奴は一人でキレてる。
大体コイツが愛梨といることが気にくわないし、何かムカつくのはこっちなんだけど。
ていうかその写真部は何なの?
「あたしの下駄箱に手紙を入れたのは…あの人だったみたいなの」
と今度は丁度良く愛梨が答えた。