情けない情けない。


客観的な見方をすれば俺ってかなりダサいし、格好悪いかも。



あ、でも。


別に格好良くしたいとかは無い。



ただ…何か苛つくってだけで、それ以上のアレもソレも無いし。

アレとソレって何?って感じだけど。


「…話すと、凄く長くなるんだけど……」

うーん、と唸りながら愛梨は唇を尖らせて首を捻る。


長いんだ。

そんなややこしいこと、あったんだ。


ムカつくな。


「そうそう。
だから面倒なことは置いといて…「で?」」


……。



「割り込みすんじゃねーよ!つか、お前は俺に感謝するべきなんだよっ!!」

「…それで何?
出来るだけ短く説明」

「なにシカトこいてんだよ…っ?!」


俺とアイツを交互に愛梨はまじまじと見比べてから。


『えっとぉ…』

と、若干だけど苛っとする雰囲気でいつも通りに話し始めた。


「書いてある通りにあたしちゃんと此処に来たの、ちゃんと…ね?」

そう言うとそれ以上に愛梨の口は開かなくて、俺をジッと見つめている。


え。何なの。


するとしばらくの沈黙。

……訳分かんない。


「で、?」

少し頬をピクッとさせながらも聞く。


「うん!そしたらね…」


あぁ、もしかして“相槌” が必要だった訳?

ますます面倒だな…


ていうか、そもそも何でここにコイツが居るんだよ。



ていうことはアレなの?

手紙を入れたのってコイツだったりしちゃうの?


何だかんだで元女と上手くいったとばかり思ってたけど違う訳?



分かんない…頭で考えると分かんないんだけど。


ていうか俺かなり日に日に心の声が増えてる。

自分で自分が不思議な人間に思えて仕方ないんだけど、本当に。