『…何でいつも…こんなこと……っ…!』
このパターン。
確か前にも何度か経験したことのあるような気がするんだけど…
バン…ッ!!
勢い良く扉を開ける。
「……何コレ」
吐き捨てる様に俺は言う。
するとその“二人”は驚いたように俺を見て、けどそのうちの一人は少しばかりニヤリと俺の嫌いな表情を見せた。
ウザ。
「あ…!樹、帰ったんじゃないの……?」
「帰ってないから今いるんだけど」
とりあえずその二人の間に入って片方の上げた手の中にあるモノを奪い取ると、間抜け面の愛梨に渡した。
「で?」
そのまま後ろを振り返って聞く。
すると奴はおどけた様に笑って、俺の顔に顔を近づけて覗き込むような仕草をした。
「…なに怒っちゃってるの?キミ」
ツンっと俺の額を人差し指で突くと、小馬鹿にしたように言い放った。
「別に怒ってないんだけど」
いや、多分どちらかと言うと苛々してるかも。
だけどこの状況の意味がよく分かんなくて眉は自然にも寄せられる。
「何してた訳?」
結局のところコイツに聞いても何の話の解決にはなんなそうだし、と…そう思って愛梨に聞く。
考えてみれば俺ってやってることめちゃくちゃ。
…関係無いとか、勝手にしろとか。そんな態度取っておいて、何してんのって。
早川の言うとおり。
ちゃんと素直になってれば良かったって、そういう話。