ていうか、この人達…俺より先に帰ったと思ってたけど。
ふぅん…
まだ居たんだ。
「本ッ当に可愛くなーい!!!つかムカつく!」
と早川は苛々したように、俺のことを睨み付ける。
「美菜ちゃ〜ん!
…あんまり樹に突っ掛かったら駄目だってぇ」
完全に負けだな。
確実に下手に、って感じだよ……
翔太カワイソ。
俺なら絶対に無理、どんなことが起きても無理。ていうか拒否。
性格、無理。
「アンタ今ちょー余計なこと考えたでしょ!?!?」
……怖い。
「別に」
「嘘つき!」
「…で?」
「………あーー!!」
今度は床を何度も何度も踏みつけるようにして、
怒ってるみたい…?
「ちょっといっちゃーん!…やっと機嫌、直したのに駄目だよぉ〜」
「意味分かんない」
それだけ言うと、俺は二人に背を向けて歩き出そうと、
下駄箱の中から靴を出してそれを履く。
「ちょっと王子待ちなさいよ!!!」
「…はぁ…。」
今度は何なの。
再び身体の向きを変えて二人の方を見る。
「何な訳」