そういう少し…ていうよりもだいぶ抜けてる所があるから、愛梨は愛梨なのかもしれないけど。


……ね?



「あ!…確かにそうだよ、ね」

急にハッとしたようにまた再び黙りこくる。


「……で?」

「で、?」



……。

俺の言葉に返してきたその言葉は、本当に間の抜けてるよな感じで少し苛立つ。


「行く訳?」

と俺が言うと。


少ししてから『うーん』と唸る声が聞こえてくる。

結局そうやって悩むんだ……


何か虚しい感じ?


「…でもさ、やっぱり告白されたりするのって……悪い気はしないし…その……なんていうか…」


へぇ。そういうこと言うんだね。

「告白、ねぇ…」

廊下の窓の外はもう夕焼け色に染まっていて、それをチラリと眺める様に流し目で愛梨を見た。


“体育館に来て下さい”ってそれだけなんでしょう?


それを『告白』って。

そう思えるのって相当おめでたいことだよね。


「な!なによ!!」

俺が馬鹿にして見下したように見えたのか、愛梨は少しばかり不貞るようにした。


「別に」

それだけ言うと、そのまま壁に寄り掛かる様にして…下にある愛梨の顔を見つめる。


バカだよね………愛梨ってさ。