本当、出来ることならそうしたい。
目を離すといっつも余計なことに巻き込まれるし、余計なことばっかに首突っ込むし。
そんなんだったらいっそのこと縛り付けておきたいね。
「そんなの…無理だよぉ…っ」
「無理?」
「……首輪なんて、…あたしペットじゃ無いもん」
プイッと顔を背けて言う。
そんな愛梨の行動一つでさえも俺を煽ってるようにしか見えないから…性質悪いってば、本当。
「俺にとっては手の掛かるペットだけど」
クスクスと細かに笑いながらスッと手を服の中に忍ばせる。
「……ねっ、ねぇっ!」
その手を押さえ付ける様に、服の中に入る俺の手の侵入を拒む。
けど所詮女の力なんてどうってことない。…それに愛梨は全然そういう力的なものが無いから。ね?
唇と歯を使って器用にそのワイシャツのボタンを外していく。
「だ…だめ!……こんな…っ」
どこでそんな色っぽい声を覚えたの?
そう言いたくなるような、どこから出てるかも分からない甘えた声を出す。けど俺のせいでそうなったのかも……
そう思うと実際、俺が愛梨に良からぬことを教え込んでしまった訳で。
ま、いいや。
乱れた服のまま下で横たわる愛梨の足の間に片膝を付いて跨る。
長い髪が散らばって、傾けるその顔と身体がどうも俺には色気が無いなんて前に悩んでた愛梨には思えない。
「他の男のこと考える暇なら俺のこと考えて」
そんな姿の愛梨を見て、つい本音が口から零れる。
結局のところ。
俺に“余裕”なんて無いんだよね。
いつだって気が気じゃ無い。
それが何よりの本音。