ずーっと進めば進むほどに人気は無くて…こんな場所、学校にあっていいのかよとか思ったりする。

多分、…ここ?


そう思いドアに手を伸ばす。



その時だった─…。


「どうして…っ!どうして、…こんなことするの?」

震える声を絞り出すようにして聞こえるこの声は…紛れも無く、愛梨の声だった。


「どうして?…んなこと決まってんじゃん」

そして聞こえたもう一人の声は、まさに俺の考えてた想像通りの奴の声で、少しは予感してたわりに、…衝撃はでかい。

どんどん心臓の速さが増していくのが分かる。


そう思ってドアに伸ばした手を確かなものにして、開けようとするけど……

開かない、


もしかしてという再びの予感が的中する。


「鍵、閉めたのかよ……っ」

苛立つ自分を抑えながらもどうしようか考えてみる、


「……アンタ、愛梨を気に入ったから」

その声が聞こえて俺の動きも止まる。


あぁ、結局俺は…

“動揺”してたんだ、“焦り”っていうのをしてたんだ。


「簡潔に言ってやろうか?」

その声が聞こえて我に返るけど、愛梨の声が聞こえなくなって少し心配になる。


「愛梨のこと気にいったんだよね俺、
アイツ?矢上だっけ?あんなのやめて…俺の女になれよ?」

付け加える様にして『後悔させねぇよ?』完全に俺はアイツに舐められてるような気がする。


それに…

ムカつく、本当に苛つく。



だからこそもう方法を選んでる場合じゃなくなった。