一気に廊下を駆け抜けて、教室の中に入る。
もう昼休みも終わりに差しかかってるから、クラスの人達も何人かそれなりに教室の中にいて少し探しにくい。
けどどんなにたくさんの人間が居たって、
俺がその中から愛梨を探し出すなんてこと容易なことで…絶対に見つけ出せる自信があったりする。
全体的に見渡して…
愛梨の姿を探してみるけどその姿は無いし…しかもそれ同様、もう一人探してた人物が居ない。
頭の中で予想してた嫌な予感。それがサッと横切っていった。
そしてそんな俺を見て誰かが肩を叩く。
「桐島ならさっき出てったよ?」
「え、どこに」
せっかく教えてくれたのにも関わらず、相変わらずな反応しか出来ないのは仕方ない。
俺は俺だし。
「どこだっけー?あ、つか何か“白井”?アイツがどこに行ったか~とか……」
白井……?
「で、どこ」
少し詰め寄る様にして俺が言い寄ると、
「ちょっ…怖いって……あっちだよ、あっち」
顔をちょっと顰めながらも指す方向を見てみると、それは廊下の一番奥。
誰も行かなそうな…資料室があるところで。
嫌な予感に更に重なる嫌な予感が、無意識にも俺の足を動かし表情を硬くさせていた。