急に叫ぶその声が聞こえて、俺も閉じてた目をパッと開く。
…愛梨、
少し驚き、それと少し呆れたように、その虚ろな視線を前に持っていく…と、俺には信じられないような光景があって。
思わず目を更に大きく見開いた。
アイツ…、まさか。
柄にもなく心の底から“まさか”というような気持ちが湧き上がってきて、その愛梨の奇声?にも何となく理解が出来る。
「な、な、何で!?!?」
立ち上がったまま人差し指を奴に向けて、口を何度もパクパクさせながら言う。
そんな驚きを隠せない愛梨の表情にニヤリと微笑。
「…え、何?知りあいなわけ!?」
続くようにして翔太が愛梨と奴の顔を見比べた。
「まぁ、そんなところ?」
「……っ」
愛梨も言葉に詰まったのか押し黙る。
「お前ら知り合いだったのかぁ…、まぁいい、おらっ、自己紹介」
その担任の言葉に、そのアイツは少し一歩だけ前に歩出る。
そして言った。
「千葉の高校から転校してきた…“白井暁”、よろしくね」
瞬間。
クラスの女子達の顔色といい、この女慣れした態度がどうも気に喰わない。
そして何より、コイツが俺達と同じ学校に転校してきて…ましてや同じクラスなんて、恐ろしくてしょうがない。