いくら何でもそれは…

あ、でも高校卒業って言ったら…もう18だし。


有って言っちゃ、有り?



「専業主婦もいいし~?…若ママのが子供には良いだろうし」

緩んだ顔をずっとあたしに向けながら、
美菜は嬉しそうに将来の願望?みたいなものを話す。


この冬休みの間に一体何があったのだろうか…?


ちょっと疑問。


「でも、美容師の夢は?いいの?」

昔から美菜はずっと将来は美容師になりたいって言ってたし、だから…その夢はどうなっちゃったんだろう?

と、そう思って聞いてみる。


するとあっけらかんと、


「え?忘れた忘れた!!」

「わ、忘れたって…」


駄目だ。

この人は本当に“結婚”と“若ママ”への道に進もうとしてる。


でも相手が普通の男の子ならまだしも…、翔太くんとなれば、苦労はしないだろうなぁ、なんて思ったりする。



「それでね!はい、これ」

そう言って美菜が鞄から何かを取り出すと、あたしの目の前に突き出した。


…ビスケット?

可愛く包装された透明のピンクの袋には、一口サイズのビスケットが何枚も入っていて。


「もしかして…お土産っ!?」

急に声のトーンを上げて、それと同時に立ち上がり口元を緩ませる。