けど考えるくらい、…罪にはならないと思い、たい。



「高級スイートルーム!街はキラキラ!!」

「…こ、高級!?」


何故かそこだけに食い付くあたし。



多分あたしの頭に直接届いたのは、“セレブ”だとか“高級”だとか…

そんな桁外れな言葉なんだろうな。



とか思う。



「そーだよ!
翔太の家族とも仲良くなれちゃったし……

卒業したら家庭に入るのも、悪くないかも〜っ!!」


さっきからずっと緩みっぱなしの美菜の顔を見ながら、

羨ましい。と何度も何度も思うよ。



翔太くん…

お金持ちだもんね。


というか、翔太くんの家がお金持ちなのか…?

そうか、そうだ。



自分の机の横に鞄を掛けて、そのまま椅子に腰を下ろす。


「家庭に入るって……け、け、結婚!?」

座ってから我に返ったように、あたしは叫ぶ。

すると、ニンマリ。


嬉しそうな笑みを美菜は浮かべていた。