「アフタヌーンティーだけで話がややこしくなったし」

美菜は少し口を尖らせてそう言うと、大きな欠伸をしてみせた。


「確かに、…で、結局なんだったの?」

そうそう。話しの途中だったんだよね、確か。

机に肘を付いて首をかしげそう聞く、


「何でもない!もー自分で勝手に決めちゃうから!!」

『いいね!?』と力強く聞かれたせいかそのまま『はい』と焦りながらも無意識に口から零れてしまったのが、何だか面白かった。


多分この美菜の性格から、

もう一回、同じ話をするのが面倒だったに違いない。


「…で、もし赤点が無かったら愛梨はどう過すの?クリスマスとか…冬休み」


“もし赤点がなかったら”

笑い話にもならない…!


まだテストが返ってきていない今。

結構、あたし的にその結果が不安だったりするから…ちょっとその手の話を聞くと嫌な、変な?汗が出そうになっちゃう。


「“もし”とか言っちゃ嫌だよ!…縁起でもない……」


ブスッとして不貞腐れるあたしに美菜は気を使うどころか、

傷口に塩を塗るごとくにケラケラと声を上げて笑うから…更にあたしの顔色は優れない。


「ふはははっ!!…ごめんごめん、で…?どうすんのー??」

それでも美菜は薄ら笑みを浮かべつつも、そう聞いてくる。