「……え?」

ツンッとされた額を右手で押さえてから、ただただ口をあんぐり開けたままアホ面を…


そんなあたしの態度が気にくわなかったのか、

「自分で言ってたんじゃん、行きたいって」

再び深い溜め息を吐くと、

掛けていた眼鏡を外してあたしの目をジッと見つめる…


え、?なになに…っ!?

と何故か焦るあたし。


「樹…嫌じゃないの?」

今更なにを言ってんだって感じだけど…


けどそれに対してもっと樹は嫌そうな顔をする、というか不機嫌そうないつもの顔。

大体…樹は本当、突然行動と突然発言が多いから…こう鈍感っていうか頭の回転がよろしくないあたしにはたまに分からない時がある。


ていうか、噛みあわない?時があるのかな…?


「あのさぁ…そんなの決まってるでしょ」

またまた呆れたような樹の言葉。


「嫌じゃ…無いって、こと?」

ちょっと樹の顔色を伺いながら伏し目がちにそう言うと、樹はコーヒーを少し口にしてから、


「嫌に決まってるでしょ」


と、

素直な樹の答えが返ってきたわけでして…


「じゃっ!!…じゃぁ何で!?」

向かい側に座ってる樹の顔にグッと自分の顔を近付けて『意気込んでます』前回オーラであたしは言う。