「だろうね、愛梨は頭良くないし…?」

フフッと小馬鹿にしたように樹は笑って落としたシャーペンを手に取るとワークの問題を解き始めた。


そしてあっという間にそのページの問題全ての空欄を埋めちゃって、何か本当に樹って凄い…

なんて、一人どこかそんな樹に対して関心してる。


けどさぁ…


「何かそれ、酷い!」

そう言ったあたしに今度はワークを付き付けて、


「ホラ出来た」

と不敵な笑みを浮かべて言った。
可愛くない…本当、樹って可愛くない!!けど…格好良い。

こんなんじゃ駄目…本当に本当に……


夢の甘いクリスマス企画が崩れる。

ボロボロ…って!!!


「樹がやっちゃったら…意味無いのに」

あたしがちゃんと出来る様にならなきゃ意味ないのに、さ?


「…ったくさぁ、」

今度も再び溜め息を零してワークをパラパラと捲る、


「ここと、…ここ、……後ここ勉強してみなよ」


突然の樹の行動に戸惑う。
ただ口をあんぐり開けたままきっと、かなりのアホ面に違いない。

だけど急に樹がこんなことを言うので…ちょっと驚く。


「え?」

「『え?』じゃないから、
本当に赤点なんかになったら笑えないよ?冬休み無くなるけど…それでもいいの?」