…愛梨side




「…いつきーっ!」

只今、学校の側にある喫茶店にて樹とテスト勉強中です。


そして…

分からない、何も分からない!


「ココ…分かんない、」

英語のワークの問題を指差し、そう問う。


そうそう。

樹はというと全く勉強をする気は無いみたいで…


でも樹って頭良いし、さりげなくこないだの中間テストの時なんか学年で1位とか取っちゃってるんだもん。

それでもって樹が勉強を一生懸命してるとこなんて…見たこと無いし。



けどけど…っ!

樹って勉強の時だけは眼鏡を掛けるから、うん!そんな樹を見てニヤニヤ、ニタニタして嫌な勉強も頑張ってたりしたり…しなかったり?


「…あのさぁ、これさっきも言った」

ハァーっと『面倒臭い』って気持ち全開の溜め息を吐くとチラッとあたしのことを見る。


眼鏡越しでそういう風に見られると…

やっぱドキドキして、ましてやその不機嫌そうな顔も最近は格好良い…なんて思っちゃってるから。


どうやらあたしは単細胞な生き物みたい。


「え、…ダメだぁ、ぜんっぜん分かんなーい!!」

持っていたシャーペンをワークの上に落として椅子の背にもたれ掛かる。


ヤル気がまず無い。
それ以上にこの学力がついていかない…

こんなんじゃ夢の甘いクリスマス企画。は本当の夢になって終わっちゃう気がするよぉ…