少し気疲れはしたが、体力的には全く疲れは感じていなかった。


このまま屋敷には戻らずに、街へ散策にでも出掛けようか。




見覚えのある趣味の悪い馬車を通りすぎて、小ぶりな自分の馬車に乗り込む。




「街の…そうだな、キルシュの前でとめてくれ」


それだけを御者に告げ、バタンとドアを閉めた。