考えなければいけないことはたくさんある。


どれが最優先か、今考えるべきか。


尋常ではない速さで頭は働く。

そうしているうちにのぼせてきた。




完全に思考がまとまった訳ではないが、倒れるわけにはいかないので、風呂からあがり、最優先事項を実行すべく、用意された仕事着に着替える。


「本日のご予定は、どのようになさいますか?」


どこから現れたのか、さりげなく着替えを手伝うローク。




「とりあえず、報告書を出しに城へ。そのあとは適当に街をぶらついて、バイト探し。そういえば他の皆は?」


そういえば、朝から誰の姿も見ていない。


いくら使用人が少ない城だといっても、さすがにおかしい。





「皆、いつものことだと呆れていましたが、昨日のうちに雇用先に出かけたようです。皆、そろそろくるころだと思っていたのでしょう」