リズは、この屋敷で一番豪華であろう風呂場へ向かう。


前の主人の趣味であるのだろうが、この屋敷の一番光が差し込んで明るい場所に大きな風呂はある。



ここは本当に豪華で、ありとあらゆる所が大理石。それに彫刻を施したという、手の込みよう。



そんな豪華な湯船一面に今日はオレンジ色の花びらが散らばる。



ロークは約束通りオレンジ色のバラを浮かべてくれた。


これだけの量のバラを摘むには、相当な時間がかかっただろう。



ロークは嫌味こそ言っていたが、きちんと主であるリズの要望を叶えてくれた。


現在、朝の7時過ぎ。

もし一人で摘んだのだとすれば、朝の4時頃から起きていたに違いない。


リズは己の堕落を恥じた。


「よし、今日からバイト探しだ」


改めて今日の目標を口にした後、ゆっくりと湯船に浸かった。