「おはようございます。もう朝ですよ。いつまで寝ている気ですか。せっかく沸かしたオレンジ色のバラ風呂が冷めてしまいますよ。あぁ、せっかく朝からバラを摘みに行ったのに無駄になってしまいますねー。あー残念です。お給料が半分になっても変わらず頑張る私の努力はなんだったんでしょうねー」
悲しげに語るローク。
その言葉の最後の最後にガバッと起き上った。
「あー、わかった、わかったから!それ以上は―――!」
「いえ、起きて、バラ風呂に入って下さりさえすれば、私はよいのです。どんなにお給料が減らされようとも、私はいつもどおり働かせていただきますので」
もはや悲劇のヒロインとでもいうように、今にも、よよっと泣き崩れてしまいそうな勢いでまくしたてる。
「あー、入ります!今すぐ入りますから!いえ、ぜひとも入らせてください!!」
キラッとロークの目が光ったように見えたのは、リズの気のせいだったのか。