ベシベシベジ。 「いつまで寝ていらっしゃるのですか。いい加減起きてください。御者も困っていますよ」 執事の有無を言わせぬ対応に、シュトラールは少しだけ嫌な顔をする。 「ローク、もう少しいい起こし方があるだろう?」 そうはいいながらも、いつものことであるかのように、あまり気にもとめず、シュトラールは馬車をあとにする。