トボトボと歩いて、自らの馬車へ向かう。 先ほどまで乗っていたボロ馬車ではなく、豪華絢爛に飾りたてられた少々小ぶり。 ただし、女主人の趣味の悪い馬車とは違い、豪華ではあるが、嫌みたらしくない。 二頭立ての馬車がコトコトと軽快な音を立て始めた。 家人達に何と言おう…。 怒られるな、絶対に。 心地よい揺れの中で、シュトラールは意識を手放した――――。