「はい、かしこまりました」 無表情にかえすと、それも気に入らなかったらしく、また何か投げつけられる。 それでも耐える。 もうすでに、恐れることはやめた。 叫ぶこともやめた。 もっと酷くなったこともあったけれど、今はだいぶおさまった。 そう、耐えればいい。 心をなくせばいい。 傷付く心さえなくした少女にはもう怖いものなんてない。 「お気を付けて行ってらっしゃいませ」