ふと微笑むとシュトラールは少女に手を差し出す。 半ば反射的に少女はその手を取り、立ちあがった。 「名前は?」 そう聞かれ、少女はとっさに、 「フェニル、フェニル・モンテペールです」 頬に朱を佩きながら答えた。 「良い名前だ」 シュトラールはそれだけ言うと、少女の手を離し、階下へと歩いて行ってしまった。