未だ暴れ続ける女主人をよそにシュトラールは、先ほどとはうって変わって優しく、少女に話しかける。






「さぁ、これであなたの足枷は無くなった。これからは自由だ。家財は押収させてもらうが、女主人があなたの遺産で購入した物のみだ。昔からのものはそのままにしてある。これからはあなたの好きにすればいい。これからはあなたの人生だ」






女主人に向けたものより、はるかに温かい言葉。






けれど、決して他人を受け入れることはない、という態度の表れでもあるようだった。







そんな事には気づかず、少女は座り込んだままシュトラールを見上げるしかなかった。