「な、なにをしているのです!?無礼者!!出ていきなさい!!それを置いて!?」
「ようやくお出ましか」
青年の声がガラリと変わる。
冷たく、どこまでも冷たく…。
カツ。
「ベル・ヘルガー、貴様を逮捕する。容疑は相続外の遺産に手をつけたこと、相続法違反。及び、偽金鋳造の容疑で逮捕する。」
ヒラリと一枚の紙切れを取り出す。
そこにはみたことも無いような豪華な印が押されていた。
正真正銘の逮捕状のようだった。
青年は無慈悲に続ける。
「城及び家財道具は押収。証拠として、共犯であるルクレー郷の城は昨日のうちに差し押さえ済みだ。おとなしくしていれば、危害を加えるつもりはない」