家財道具が全て丁寧に梱包され、運び出されようとしている瞬間だった。 「えっ?」 驚きを隠せない少女。 それを指揮していたのが昨日の青年だったからかもしれない。 少女を見つけた青年は、にこやかに微笑み、挨拶をする。 「おはようございます。おはやいですね。まだ寝ていて下さって結構ですよ。まだまだかかりますので」 にこやかすぎるその顔には、悪気など全くない。