少女が敵意以外の視線を向けられたのは数年ぶりの話だ。 だからだろうか、不思議と自分の過去を話そうと思った。 この数年、外の世界に顔を出すことなく、ひたすら使用人として耐えてきた自分。 他人とまともに話をしたのもいつのことだったか思い出せない。 そんな自分がまだ人の心を持っていたことに驚く。