「…そんな時、ヘルパーとして今の女主人、ベルが派遣されて来ました。ベル・ヘルガーに父は魅了されてしまいました。そして、半ば無理矢理に遺言を書かされたんです。」


しかし、と続ける。


「しかし、父にも理性は残っていました。実の娘に半分、ベルに半分の遺産を配当する、と。相当な額だったので半分でも、人生丸々遊んで暮らすことが出来ます。しかし、ベルは満足しませんでした。全てを…そう、全てを自分のものにしたかったようです。そして、父に追記をさせたのです。『娘が一人立ちするまでは、ベルがその相続権を一人で持つ』と」


シュトラールは少女をみつめる。