しばらく歩いてついた先は、見覚えのあるドアだった。
「ついたわよ」
どうやら、エスメラルダは紹介屋の場所を最初からわかっていたらしかった。
分かっていてあえて言わなかったらしい。
「あ、ありがとうございます!」
「ふ、変な子ね」
え?っと不思議そうにエスメラルダをみる。
「普通、なんで早く言わないの、とか最初から案内してくれればいいのにとか言うと思うわ。なのに、ありがとうだなんて、面白い娘」
そういうと、コロコロと笑った。
「変ですか?」
「いえ。実にあなたらしいと思って」
そういって微笑む。
「なにか御用ですかぁ?」