リズの考えなどお見通しとでも言うように、ふっとフェニルが微笑む。
「では、紹介屋さんのところにでもお邪魔してますので。昨日の報酬の件もありますし」
フェニルの中ではもはや決定事項だった。
「その後、爺を連れてキーナさんのお宅に伺おうと思っています。そのときはリズ様も一緒にいてくださいね」
ね、と笑顔で言われれば、断る術がないことをフェニルは承知の上でやっているのだろうか?
リズが出していい答えは、ただ一つ。
「…わかった。今回はフェニルの案に賛同するとしよう。エスメラルダ、くれぐれも危険のないように、頼むぞ」
「はいはい」
気のない返事で、手をヒラヒラさせながら答えるエスメラルダに、少し心配になるが、今は一刻も早く動かなければならない。
「では頼んだぞ」
そういうと席を立った。