「お前には無理だ。今回の任務は荷が重すぎる。手札を見せるつもりがないのなら帰るんだな。知ってのとおり俺は気が長いほうではないからな」
フェニルの意見などお構いなしで話は進んでいく。
話しぶりからするに、ふたりは旧知の仲らしいことはわかった。
そして、エスメラルダがフェニルと同じ感情をリズに抱いていることを感じ取った。
ただの女の勘なのだが。
「じゃあ、お嬢さんの意見を聞きましょうよ。これで公平よね?」
ね?といきなりフェニルに話を振ってくる。
フェニルは別のことを考えていたとは言えず、曖昧に頷いた。