「…それは、護衛につけるもので私以上の力量のものは出せないと…?」


「そうだ。それなりに使えるものはすべて今回の任についている。言っておくが、かなりの下っ端しか出せないぞ。どうする、シュトラール?責任感の強いお前なら受けるしかないとわかっているはずだが?」




高圧的な態度にリズは尻込みしそうになるが、かろうじてフェニルを見る。






「フェニル…今回の条件はあまりにも分が悪い…。この話を受けなければ、本当に君の命が危ない…だが…」


「私、このお話お受けしますわ」


「そうだよな…やはりこの話は危険だから受けないほうが……えっ?受ける?」


「ええ。どちらにしろ危険なんでしょう?それでしたら除け者にされるより当事者でありたいです」


その一部始終を見た上司は不敵に微笑む。



「お嬢さんのほうがよっぽど勇敢じゃないか。では、決まりだな。では本日から任に就くように。詳細はエスメラルダに訊くといい。では、私はこれで失礼する」


未だに状況を理解しきれていないリズを置いて上司は席を立つ。



「では、モンテペール嬢。よろしく頼みましたよ」



そういうと店を出て行ってしまった。