「そうだ、確かにリムはかつての同僚だった。唯一、彼には敵わなかった」


フェニルは不思議そうな顔をする。


「私の記憶にある父は温和で、おっちょこちょいだったかと…」


その言葉に上司は眉間に皺をよせる。



「彼は他人を欺くのが上手かったな。どちらが本当の顔かは今になってはわからないが」




痛烈な一言を浴びせる。



フェニルは少し悲しげな顔をした。


「そ、それはそうと、今回の話についてそろそろ教えていただけませんか…?」





今まで傍観者だったリズが見るに見かねて上司に話しかける。