翌朝、午前8時30分。



リズはフェニルの滞在する宿屋の前にいた。



いかにも高級そうな腕時計を何度も確かめる。




昨日待ち合わせ時間を指定するのを忘れていた。




どうしようかと迷っているリズの頭上で声がした。



「リズ様!!おはようございます!お早いんですね」



リズは声の主をみとめ、手を上げて応える。




「少し早く着すぎたかな」



「そんなこと!すぐ支度をしていきますから!もう少しだけ待っててくださいね」




そういうと部屋の中へ姿を消した。