「そのように驚いたお顔をしないでくださいませ。お嬢様のことは小さいときから見知っていますので…なんとなくそんな気がしたのですよ。」
そういわれると、敵わない。
嘘など、つく必要もないようだ。
「明日、シュトラール様の上司の方のお話を聞いてきます。結論は、お話を聞いてからでもいいといっていましたが、私はもう決めました」
「お嬢様のお気の召すままに」
フェニルは今までに感じたことのない充実感に満たされていた。
すべてはこれから始まる。
深く、ひとつだけ大きな深呼吸をする。
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