「…そうなの。それで、キーナさんがお部屋を貸してくださるって言うの。もちろん、爺も一緒でかまわないといっていたわ」




今日一日の流れを話して、キーナの提案を伝える。



「左様でございますか。私はお嬢様の行きたいところへ、どこまでもお供いたしますよ。どうなさるか、もう決めていらっしゃるのでしょう?」



鋭い観察力でフェニルの言いたいことを瞬時に察する。



「…そうね。私はキーナさんのお屋敷でしばらくの間、お世話になるのが良いとおもうわ。それとこれからの話は別件なのだけれど…」


言葉を濁す。



真実を伝えるべきなのだろうか。



しかし、この爺はフェニルの拙い嘘など瞬時に見破ってしまうことだろう。



「シュトラール様のお仕事のお手伝いをなさるのですね」




リズのことに関してはまだ一言も話していなかったのだが、これから話そうとしていることを言い当てられる。