カウンターの席につくとバーテンダーがやってきた。



「何にいたしましょう?」


「私はブラッディー・メアリー」



「マティーニ」



「畏まりました」





あたりをちらっと見るが、リズたちのほかに客は2組しかいなかった。



そのどちらも甘ったるい空気に包まれていた。



「お待たせいたしました」


作り終えるとバーテンダーはさり気なくどこかへ行ってしまった。




気を利かせたのだろうが、正直なところもう少しいて欲しかった。



「じゃ、お疲れ様。乾杯」



チンとグラスが音を奏でる。



リズは一口喉に流し込む。