リズは御者台から降りフェニルが怪我をしないよう手を差し伸べてくれる。



その手をとるとひんやりと冷たかった。



「ごめんなさい、私のせいでこんなに冷たくなっちゃって・・・」





「大丈夫だ」


「これからどうするつもりですか?」


「この馬車をどうにかしなければいけないが・・・」




「それではモンテペール城に置いておくというのはいかがでしょう?」


思いもかけないフェニルの言葉に、珍しくリズが目を見開く。



「いい提案だが・・・少々危険が伴うかもしれない。あまり得策だとは言えないな」



それを聞いてフェニルはしゅんとする。

しかし、次の一言でその表情は一変する。