そう言うとリズは言葉を濁した。




「ただし、話を聞くというなら事情は変わる。それでも、俺と共に行動することになると思うが、最低限の自由はある」




「最低限?」



「話を聞かない場合は、ほぼ軟禁状態と変わらない生活。もし、話を聞くんだったら俺と共に少々危険な仕事をしてもらうかもしれない」



そう言ったきりリズは口をつぐんだ。



フェニルはしばし考える。



結論を言おうと口を開いたとき、運がいいのか悪いのか爺のいる宿に馬車が到着した。



「結論は明日の朝聞く。八時半にこの宿屋の前で落ち合おう。その結果次第でいくべき場所が決まる」