「誠に申し訳ございませんでした」


隊員の姿が見えなくなってから大尉はリズに謝る。


「あの若者は少々一人よがりな部分がございまして・・・。ご気分を害されたのでは?」


冷静な声でリズは言う。


「いや。大丈夫だ。あの若者も自分より若い私が、要職についているとは思わなかったのだろう。まあ、誰しも、そうは思わないと思うが」


自嘲気味になってしまう。



「しかし、大変な身の上でございますな。正体を明かせないというのは」


「バレてしまっては仕事がやりにくいからな。それより、今後の事なのだが・・・」



「そこまでだ」


不意に現れた人影に会話は遮られた。