一方、リズはというと、婦人の話もフェニルの話もきちんと聞いていた。




しかし、どのような顔をしてよいのかわからずティーカップを見つめ、聞いていない風を装うことしか出来なかった。






外界との接触を出来るだけ絶ち、自分や自分の部署のことがバレないように努めてきたリズは、このように他人とお茶を飲むということも、くだらない世間話をすることも今まで避けて来たため、今回のような話には正直ついていけない。




どのような顔をして、どう答えていいのか、マニュアルのある仕事上だったら適当にかわす自信はあるが、私事ではどう答えてよいものか、わからなかった。



やがて、フェニルの視線が外れていくのを感じる。



ホッとしながらも、どこかでさみしさを感じるリズだった。