「いいだろう。この条件で受けてやろう」



その言葉を聞き、フェニルはパァッと顔を輝かせ、紹介屋はにんまりと顔を綻ばせた。





紹介屋が差し出した契約書にリズが殴り書きでサインをしたあと、フェニルが丁寧にサインをする。





それが終わったあとに紹介屋がハンコを押し、契約成立。







「では二ヶ月頑張って下さいねぇ。早く終わってもよろしいですが、期限だけは守ってくださいねぇ」


ミサちゃんを抱え手を振らせる。


「ほら、ミサちゃ〜んお客さまが帰りますよぉ。バイバイしましょうねぇ」




「ありがとうございました」

あえてそのことには触れず、やや堅い笑顔を作って礼を述べるフェニル。



リズは機嫌が悪いのか、何も言わずに既にドアの前にいた。


「行きましょう」


それだけを言うと明るい日の元にでていってしまった。


もう一度ペコリとお辞儀をするとフェニルもそれに続いた。



「はてさて、無事に完了出来るといいのですが…」




ミサちゃんと二人取り残された紹介屋は誰もいない部屋に言葉を投げ掛けただけだった―――。