「こちらが今回ご紹介できるお仕事です。こちらを受けるかどうかは貴女方次第です。いかがなさいますか?」




フェニルの心は既に決まっている。


後は一緒に受けるリズ次第。


リズは書類を受けとると、パラパラとめくり、内容を確かめる。



依頼は簡単なもののようだ。

猫探しに、結婚指輪探し、簡単な家事などの雑用を寄せ集めた様な内容だった。





しかも、ご丁寧に締め切りは重ならないように組んである。




そして報酬も良いものばかり。


紹介屋を睨むように見る。




「俺には毎回無理難題を押し付けるくせに」



紹介屋はサラリと受け流す。




「でもどれも報酬は良かったでしょう?私はリズ君に合った仕事を紹介しているだけですよぉ。酷い言いぐさですねぇ」



さも心外といった風に頬に手を当て考え込む様な仕草。



そんな二人のやりとりをフェニルはドキドキしながら見守っていた。