「まぁ、そのもう一人は、リズ君という条件付きですけれど」 そう言われたフェニルは、子犬がするような物欲しそうな、うるうるな目をリズに向けた。 事の顛末を見守っていたリズはあまりの意外性に、思わず頷いていた。 「では、決まりですねぇ」 そそくさとリズの前の資料を片付け始める。 そして、二、三枚の綴じられた紙を差し出す。